読書メモ
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「折れた竜骨」米澤穂信(東京創元社ミステリフロンティア)

『そしてそれはお前にも分かるはず。いや、お前にこそ、わかってもらわねばならない。ニコラ、何も見落としてはいけない。そして考えろ。お前には素質がある。真実を見つめる勇気がある。理性と倫理は魔術をも打ち破る。それを証明するんだ。そして、時が来たなら迷わず義務を果たせ』


自然の要塞に囲まれたソロン島。その領主が殺された。鉄壁の守りはなぜ破られたのか。犯人は誰なのか。容疑者は8人。娘のアミーナは騎士ファルクとその従者ニコラとともに、犯人をさがす。という話。

たいへん面白うございました。大満足です。優れたミステリを読むと、やっぱりわたしはミステリが大好きだなぁ、と思いますね。

剣と魔法のファンタジーと良質のミステリが絡み合って、謎解きの楽しを味わうには一級品です。そして小説としても面白い。
ハウダニットよりもフーダニットに重きが置かれていて、早々に殺害手段は明かされます。では誰がやったのか。容疑者一人一人に話を聞くこのやりとりがとても面白かった。

読者への挑戦が挿入されててもおかしくないほどミステリの王道たる形式を踏襲しながら、しかしその調理法は新しく、なんともわくわくさせられました。
感情的に読めば犯人は直感的に変わると思います。でもそこに至るまでの周到に用意された伏線がたいへん美しいです。

それから主人公のアミーナが魅力的。聡明かつ冷静で、しかも自らの責務に自覚的です。凛とした姿勢に好感が持てます。もういっそ、兄アダムより彼女が領主になったほうがソロン島のためだよ。
襲来したデーン人との戦いで、領主の娘として危険を避けつつ、しかし戦闘から目を離さない彼女の冷静さには感服するものがありました。

面白かったです。

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
(2010/11/27)
米澤 穂信

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「数学ガール」結城浩(ソフトバンククリエイティブ)
面白かった!! 数学好きには最高の本でした。
結城氏のプログラミング関連の本は何冊か読んだことがあるし、webサイトにも結構お世話になっていたことがあるのですが、なんでもっと早く読んでなかったのかと後悔。
むちゃくちゃ面白かった。

数式の展開が趣味の高校生「僕」が、天才的数学知識を持つミルカさんと、数学的センスのあるテトラちゃんとともに数学を旅する話。

作中に出てくる数式は、簡単なものもあれば、かなり高度なものもあります。
問題を見た瞬間に答えがピンとくるような簡単な問題も、テトラちゃんのするどい質問に別の顔が見えてきたり、ミルカさんの出す高度な問題に「僕」とともに悩んだり。

まず問題を見て、自分なりに解いてから解説を読むといっそう楽しいです。メモと鉛筆が必須です。解けなくて先に解説を読んでしまった数式もありますが、ちょっとずつ示されるヒントにひらめくこともあって、読むのが快感でした。

個人的に面白かった数式は、ハーモニックナンバー。木村先生のカードから展開されていく数式にのめりこみました。「僕」とテトラちゃんのやりとりのわくわくすることと言ったら! 

合間にはさまれる「僕」、ミルカさん、テトラちゃんの微妙な三角関係も楽しいです。恋愛にまで発展する前に数学の問題にシフトしますが。その辺の感覚もニヤニヤしてしまいました。


図書館で借りて読んだのですが、気に入ったので自分でも購入してしまいました。
続きが出ているのでそちらも早く読んでみたいです。2巻はフェルマーの最終定理、3巻はゲーデルの不完全性定理だそうで。タイトルだけで惹かれますね……。
そして現在執筆中の4巻は乱択アルゴリズム! うわーうわー、すっごい面白そうです。読みたい!

数学ガール数学ガール
(2007/06/27)
結城 浩

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「喜嶋先生の静かな世界」森博嗣(講談社)
森博嗣の著書として最高傑作だと感じました。これほど美しい小説はない、とも。

自伝的小説です。「まどろみ消去」に収録された「キシマ先生の静かな生活」と筋は全く一緒。

ただ、あの短編よりももっと丁寧に、研究すること、自らで考えひらめくことの素晴らしさ、美しさが描かれています。研究者としての心構えや研究の魅力が随所に見られ、読んでいると学生時代に戻りたくなりました。

Ph.D.のphilosophyは哲学と訳されますが、もともとは愛好すると言う意味のラテン語philosと、知を意味するsophiaが合わさった言葉で、学問を愛するという意味になるのですが、この本を読むと、まさにPh.D.掻くあるべしと言う感じです。学問への崇高な愛を感じます。


「学問には王道しかない」

なんと美しい言葉でしょうか。
わたし自身も、理系の大学院を出ていますが、院生時代にこの本に出合えていたら、もっともっと研究にたいして、真摯でいられたのではないかと思うと、それがすこし残念です。でも大切なことは環境ではなく、今、どうしたいか、ということでしょう。

今はだらだらな主婦でも、意思さえあれば、どうとでも研究は続けられるのです。ネットもあるし、院に行かずとも学べること、考えることは出来るのですから。


オビに

この小説を読むと
●考えてもわからなかったことが突然わかるようになります。
●探してもみつからなかったものがみつかるかもしれません。
●他人と考えが違うことや他人の目が気にならなくなります。
●自分のペースや自分の時間を大切にできるようになります。
●落ち着いた静かな気持ちで毎日を送れるようになります。
●なにか夢中になれるものをみつけたくなります。
●スポーツが得意になるかもしれません。
●学生の方は進路が変わってしまう可能性があります。
●年齢性別関係なくとにかく今すぐなにか学びたくなります。

と書いてあるのですが、スポーツ云々以外は結構当たってる気がします。

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
(2010/10/26)
森 博嗣

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「身代わり伯爵の花嫁修業 I 消えた結婚契約書」清家未森(ビーンズ文庫)
フラゲしました。
おがきちか氏とD・キッサン氏の合同サイン会に行ってきたら、その会場となる書店にふつーに売っててビックリしました。公式発売日から1日遅れで入荷するのが広島なんですがねぇ。どういう流通経路だ。発売日協定はいいのか。

うれしいから良いんですが。

んで、読みました。
面白かった!! 続きが読みたい!!

正式発売日前なので詳しい感想は書きませんが、読んでる最中ニヤニヤしっぱなしでした。
床ローリングなシーンも外さず、ギャグパートもふんだんに。楽しすぎる……!

一番驚いたのはラスト近くのフレッドの発言。
ええ、そうだったんだ!! と快哉を叫びましたね!
でも、「それなりに」ってどうなのよ。相変わらずフレッドの真意は分かり難いです。
そこが好きなんだけどさー。

とか意味深なことを書いておわり。
詳しい感想は正式発売日後に。


身代わり伯爵の花嫁修業  I 消えた結婚契約書 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の花嫁修業 I 消えた結婚契約書 (角川ビーンズ文庫)
(2010/06/01)
清家 未森

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「身代わり伯爵の誓約」清家未森(ビーンズ文庫)
お約束でベタでテンプレな展開が満載の王道ラヴ&ファンタジー第10弾。6冊にわたったシアラン編の完結です。いえー。

前作「告白」で記憶を失ったミレーユがどうなるのか、それを知ったリヒャルトがどう出るのか、この二つだけが気がかりだったのですが、まさかこう来るとは!!

記憶を失っても、ミレーユはどこまでもミレーユすぎて吃驚しました。
どんなときでも斜め上を行く行動力の彼女が、わたしはますます大好きになりました。
このシリーズで一番好きなキャラですよ。

以下、ネタバレで。無駄に長いです。

身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)
(2010/02/01)
清家 未森

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「つぼみの魔女*アナベル 弟子の種の見つけ方」朝戸麻央(ビーンズ文庫)
ビーンズ小説大賞の優秀賞&読者賞の受賞作。
おちこぼれ魔女のアナベルが、恩師の残した魔女の《種》を宿す人間を探すため、全寮制の学園へ潜入する、という話。

なかなか楽しかった!
アナベルさん、17歳だし見た目13歳くらいだし。てっきり生徒として潜入するのだとばかり思ってましたが、よもや教師だとは。「放課後の魔術師」じゃあるまいし、17歳で教師って無理があるだろう! と突っ込みましたが、この世界ではアリなようです。見た目の若さに驚く人は居ても、実年齢の若さを問題にする人は居なかったので。そうか、アリなのか。

ちょっと抜けてて鈍感で、でも健気で優しいアナベルがなかなか可愛くて良かったです。

曲者な同僚教師二人もちょっと楽しい。個人的にはロビンよりセドランの方が好きだ! ちょっと黒いところがらるひとが好きなので。それから児童三人のコンビも可愛い。

児童にも受け入れられて、あんがい教師らしく頑張っているし、弟子もなかなか教育が大変そうだし、セドラン先生は邪魔しそうだし、今後の展開が楽しみです。

つぼみの魔女*アナベル  弟子の種の見つけ方 (角川ビーンズ文庫)つぼみの魔女*アナベル 弟子の種の見つけ方 (角川ビーンズ文庫)
(2010/02/01)
朝戸 麻央

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「お茶が運ばれてくるまでに ~A Book At Cafe~」時雨沢恵一(メディアワークス文庫)
作家買いで、あらすじも前情報もないまま、普通に長編の小説だと思い込んで買ったのですが、手に取ってみたら思いの外薄いわ、カラー挿絵が前ページにあるわで、「絵本?」とちょっとだけ残念に思いました。
なんか、タイトルで勝手にちょっとダーク寄りの推理物かなーとか期待していたので。

しかしそう思っていた自分を、ちょっと張り倒してやりたい。

あなたはイスに座って、ウェイターが注文を取りにきました。あなたは一番好きなお茶を頼んで、そして、この本を開きました。お茶が運ばれてくるまでの、本のひととき。

というあらすじにある通り、カフェでちょっと開くのに最適な、18の掌編が載っています。たいそうなことは描いてないし、目新たしい説もありません。けれど、すこしだけ胸に響く内容。

個人的には、お茶が運ばれてくるまでには全編読み終わってしまうくらい短いのですが、そういう速読はせず、ゆっくりと内容を味わうように読むのがベストだと思います。

一編一編、自分はどうだろう、他の人はどうだろう、中の掌編と似た状況だったあの時、ほんとうはどうだったんだろう、と考えながら読むと、いっそう楽しめるのではないかと思います。

わたしが一番気に入ったのは「みため」の話です。


時に。
頑張ってあとがきを探したのはわたしだけではないはず。
カバー外したり、裏返してみたり、天地や咽まで見たけどあとがきがなくて、それがちょっと残念でした。
いや、この本はあとがきがない方が綺麗なんですけどねー。
時雨沢氏といえばあとがきなのに……。

お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe (メディアワークス文庫)お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe (メディアワークス文庫)
(2010/01/25)
時雨沢 恵一

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「三千世界の鴉を殺し」津守時生(ウィングス文庫)
ウィングス文庫のレーベルデザインが変わって、本棚で統一感の取れないことになるんじゃないかと危惧してましたが、これまでと同じデザインで出してくれて一安心。新書館さん、分かってらっしゃる。

さて本文。
あらすじを書こうかと思いましたが、どう纏めればいいのか分からなくて面倒になったのでなし。
キャラ萌えSFの皮を被った人間ドラマ、か?
エンタメ重視の、わかりやすい萌え展開の合間に挟まれる描写のそこかしこに、萌えだけで小説を読んでいるような読者を風刺する記述が見られるし、SFの設定もかなり練られたもので、深く読むとすごく深い話にも取れます。でもそのあたりは書き込みすぎず、ラノベに徹しようと作者が努力している様が垣間見えていろいろな意味で楽しいシリーズです。

今回、病院長を追い詰めるさまが大変楽しかったです。回りくどいけど。
ルシファード、サラ、カジャの三人の漫才でゲラゲラ笑いました。いつでもどこでも人気者なルシファードが哀れでなりません。自業自得でしょうが。楽しいなぁ。ニヤニヤ。

書き下ろしの「幸せはスミレの香り クマの形」は大人の成長物語といった感じ。
作者お得意のアダルト・チルドレンを前面に持ってきた話で、たいへん面白い反面、またその話か、と思わなくも。
いえ、すごく心に響くエピソードや台詞もあって、とても考えさせられるんですけどね。
でもクマのエピソードがたいへん良かったです。ホロリときました。
よかったな、ワルター。

遅々として進まない話ですが、それを楽しむシリーズでもあるので、ゆっくりまったり続きを待っていたいと思います。

三千世界の鴉を殺し (15) (ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫 144)三千世界の鴉を殺し (15) (ウィングス文庫) (新書館ウィングス文庫 144)
(2010/01/16)
津守 時生

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「ぐるぐる猿と歌う鳥」加納朋子(講談社ミステリーランド)
主人公の森(しん)は、小学5年生。親の転勤で東京から北九州の社宅へ引越してきた。
前の学校では誰も転校を淋しがってはくれず、多少の屈託を抱えていた森。
だが、引っ越したその夜、パックと呼ばれている少年と奇妙な出会いをし、彼とその仲間たちを通して、森は社宅の子どもたちや、新しい学校に馴染んでいく。


パックの抱える秘密は、ちょっとありえなくないか、と思いつつ。
面白かったです。
子供は、子供だけの秘密って好きですよね。
でもどうしても秘密を抱えていられない子が出てきて、彼ら彼女らの秘密は破綻するのが常ですが。
みなパックが大好きなんでしょうね。
もしくは、秘密を抱えていられる子供にしか、共有されない秘密なのか。
マサルが抱えていたもう一つの秘密を託されるシーンがかなり好きです。こういう視点はとても重要ですよね。

このまま彼らの秘密がずっと暴かれずにいれば良いな、と思いつつ。
でもあっさり1年後くらいにバレてしまっても、それはそれで面白そうだと思います。

向こう見ずな性格の森が、パックら仲間を通して少し成長する話、と単純化することも出来ますが、もうすこしだけ深いかな。

本当は優しく、正義感あふれ、洞察力も鋭い森ですが、大人からは乱暴者で始末に負えない子供だと思われているところが、なんとも児童書らしくて好きです。
きっとこんな子供が近所にいたら、わたしは、やっかいな子供と思うでしょうが。

個人的に、転校初日に方言で戸惑う森が楽しかったです。
すっごい美少女なのにコテコテの九州弁を喋るあやのギャップに驚いているところとか。
作中の九州弁はけっこうわたしの実家がある大分の言葉とそっくりで、なんだか懐かしかったです。

ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド)
(2007/07/26)
加納 朋子

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「白と黒のバイレ 白き、時の流れにのせて」瑞山いつき(ビーンズ文庫)
マルアスル王国の王太子息女のブランカは、国一番の魔術の使い手。しかし魔王との戦いで敗れ、若返りの呪いをかけられてしまう。季節が変わるごとに1歳ずつ若返る彼女はついに12歳の肉体に。迫り来る死の運命から逃れるために、彼女は専属の騎士・セロとともに呪いを解く旅に出る   。という話。

これはいい身分違いモノです。
ブランカもセロも互いに意識しつつも、分をわきまえている所がすばらしい。恋におぼれず、自らに課せられた役目を全うしようと努力しているところが大変好感が持てます。
それでも、時折のぞく抑えがたい恋心に燃える。そしてすかさず入るリリアナの制裁。たいへん良いバランスですね。
ブランカの侍女のリリアナは、ブランカの気持ちも、セロの気持ちも知っています。その上でブランカの、王族として義務を全うしようとする意思を尊重して、二人の、というか主にセロの邪魔をしています。むしろセロは害虫扱いです。

「ち、か、す、ぎ、ま、す、よ、害虫!   その手をどうするつもりでした?」

のシーンが素敵すぎます。
ブランカを巡ってセロとリリアナが対決しているようにも見えなくもない。

黒幕な王子の腹黒さもたいへん素敵だし、この三人(プラス案外抜けているところのある魔王)の旅がどうなるのか、たいへん楽しみです。

どうでもいいけど、本文に絡む形の挿絵はなんか苦手です。読みにくい気がする……。
ふつうに、本の左側に挿絵ページ、の方がわたしは読みやすいなぁ。(でも186pの挿絵は好きだ……)


白と黒のバイレ  白き、時の流れにのせて (角川ビーンズ文庫)白と黒のバイレ 白き、時の流れにのせて (角川ビーンズ文庫)
(2009/12/01)
瑞山 いつき

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「光炎のウィザード 未来は百花繚乱」喜多みどり(ビーンズ文庫)
最終巻です。
見習い魔術師のリティーヤは世界でただ一人、失われた<昼>魔術を使えるせいで、彼女の指導教官であるヤムセとともにさまざまな争いに巻き込まれます。さらに周囲の人々も巻き込みます。そんな彼女が選ぶ未来とは   

人類に課せられた<運命>の謎とか、リティーヤの家族の行方とか、ミカの未来とか。これまでの謎や伏線をきれいに回収して、鮮やかな終わりでした。

リティーヤは見習いで、教師を困らせてばかりのおちこぼれというイメージがどうしても払拭できなかったのですが、実戦ではかなり魔術が上達していますよね。
理論や語学が駄目なだけで、難しい治癒魔術も使えるし、石板を封じることも出来るし。
この先、ヤムセの指導の下で立派な魔術師になりそうな気がしてきました。
……ヤムセはすごく苦労しそうですが。まあ自ら選んだ道だし、むしろそんな苦労すら楽しみそうですけど。

つか、イルザークとヤムセは間違いなく類友だと思います。あんがい行動がそっくりだよ。
段階を一つ二つ踏み飛ばすところなんかが特に。


   二度も手放せるか、こんなもん。

ってシーンはニヤニヤが止まりませんでした。
呆然とするリティーヤを放ってトラリズ親子と会話するさまにも床ローリング。

「運命は千変万化」のラストでリティーヤを列車内に拉致した後、我関せずみたいに本を読んでいたシーンとあわせると、つまりヤムセなりに照れてごまかしているのかも知れないとも思うのですが。それにしてもひどい男だ。もっとやって!!

これで最終回って少し寂しい気もします。
彼らの今後を短編などで読んでみたいです。


以下ネタバレ。

光炎のウィザード  未来は百花繚乱 (角川ビーンズ文庫)光炎のウィザード 未来は百花繚乱 (角川ビーンズ文庫)
(2009/12/01)
喜多 みどり

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「クラッシュ・ブレイズ オディールの騎士」茅田砂胡(C★NOVELSファンタジア)
なかなか楽しめました。
このシリーズ、金銀コンビがメインの話より、大柄夫婦がメインの方が面白いよなーと思います。
つかオーディルは最初、馬鹿で高慢ちきなお嬢さまかと思ってましたが、そうではなかったことがまあ、救いでした。
彼女は今後、連邦大学へ行くといいんじゃないかと思います。勉強は好きそうだし。

しかし悪役の人があまりに小物でいっそ哀れでした。
ステレオタイプの悪役で、考え方と言い、行動と言い、言動と言い、どこに出しても恥ずかしいくらいありがちな悪役で、あまりに徹底していていっそ清々しかったです。

えーと、あと、ピグマリオンの乗組員の人たち。ダンと大柄夫婦の関係に全く気付いてはないとおもうのですが。それでもどこか察するところがあるみたいで、それが面白かったです。


クラッシュ・ブレイズ - オディールの騎士 (C・NOVELSファンタジア)クラッシュ・ブレイズ - オディールの騎士 (C・NOVELSファンタジア)
(2009/11/26)
茅田 砂胡

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「お隣の魔法使い 1~4巻」篠崎砂美(GA文庫)
近所の本屋で平積みしてあって、なんとなくまとめ買い。
面白かったです。

好奇心旺盛で元気いっぱいのメアリー・フィールズと、そのお隣に住む不思議な青年・ツクツクさん(「トゥックトゥイックです」)との、ちょっと不思議な日常を描いた短編集。四季ごとの各章に3編の話が入っていて、1冊に12編づつの短いエピソードが載っています。
メアリーが高校生の3年間を描いているそうで、1巻が1年目。2巻が2年目。3巻が3年目です。4巻はランダムにエピソードが載っていて、3年目より先の話はないみたいです。残念。

別に大きな事件など起きないし、そもそもツクツクさんは魔法使いと思われていますが、実際に魔法を使うようなシーンは一切ありません。なんとなく不思議なことは多々起こりますが、すべて気のせいといわれればそんな気もしてきます。

まったりと読み進められて、実に癒されました。

つかメアリーとツクツクさんの関係は、全然進展していないように見えるのですが、呼び名がビミョーに変化していたり、互いを気にかけるさまが心持ち近付いているような描写がなくもないので、なんというか、もう、あんたら二人はどうなってんのよ! と詰め寄りたい気持ちが抑えられない。
行間でそこそこ親密なやり取りがあるように思うのですが、でも明記はされていません。気ーにーなーるー。

読者が好きに妄想できて楽しいですけどね。

すごく気に入ったので、5巻6巻と続いてくれれば良いのになぁ。


お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 (GA文庫)お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 (GA文庫)
(2006/05/12)
篠崎 砂美

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お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔 (GA文庫)お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔 (GA文庫)
(2006/11/14)
篠崎 砂美

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お隣の魔法使い 永遠は三つめの願い (GA文庫)お隣の魔法使い 永遠は三つめの願い (GA文庫)
(2008/01/15)
篠崎 砂美

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お隣の魔法使い 語らうは四季の詩 (GA文庫)お隣の魔法使い 語らうは四季の詩 (GA文庫)
(2008/09/16)
篠崎 砂美

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「身代わり伯爵の告白」清家未森(ビーンズ文庫)

「好きな人が殺されるかもしれないって時に、我が身可愛さで逃げ出すなんて絶対嫌」



「恋人を攫われたのに、俺が命惜しさで大人しく見逃すと本気で思ってるのか、あの人は」

お約束な展開が満載の超・王道ラブ&コメディ第9弾。

互いに、自分の身よりも相手が大事だと周囲に漏らす様がもう可愛くてたまりません。
特にミレーユ。恋を自覚した彼女がもうすごい可愛い。リヒャルトの過去の言動を思い出して、あれって自分のためにしてくれたんだ、と気付くシーンがすごく好きです。やっと気付いたのかよ、と思いつつ。彼のために捨て身で大公と渡り合うシーンは緊張感あふれるのに、彼女の健気さが可愛くて、読みながらジーンとしてしまいましたね。

しかしそれ以上に健気なのはリヒャルトです。
今回、一番印象的だったのが、


「あと何回口にしたら俺の愛は通じるんだ」

って台詞。ほんとにね。もうリヒャルトが可哀想で本気で切なくなりましたよ。前作「失恋」で告白に40ページ近く費やしてますからね。普通のヒロインならとっくに落ちてますよ。ケータイ小説ならもう子供が出来てしまう勢いでしたよ。(ケータイ小説を読んだことがないのでイメージで語ってます。告白→両思い→即セックス、みたいな)

つか、あの告白シーンを何度も脱線させているミレーユにはもう脱帽でした。そのたびに軌道修正して何度も告白したリヒャルトは本当に頑張っていたと思います。なので余計に、上の台詞に涙しました。

ミレーユが宮殿に乗り込んでいたと知って、アルテマリス方面ばかり気にしていた自分はまぬけだったと落ち込んでいるところとか、不憫すぎてもう同情するしかありません。リヒャルトは何も悪くないよ! 斜め上な行動力を発揮する型破りなヒロインがおかしいんだよ!! ホントにこのヒロイン、どこまで型破りなんだ。ヒロインの自覚はあるのか? (答え:ない)

そして、次に二人が出会うときは、ミレーユは彼を覚えていないかもしれない、と。

……もうさ、いい加減リヒャルトを幸せにしてあげて欲しいです。
次巻でシアラン編は終わり、と書いてあったけど、シリーズが終わるとは描いていないので、もしかしたらリヒャルトの苦労はまだまだ続くのでしょうか。二人の気持ちが盛り上がっているので、もう次で一つのピリオドを打って欲しいんですが。(でもシリーズは続くと良いなぁ)

次巻でめでたく大公と大公妃になって、次々巻はリゼランド編とかだったら楽しいのに。アルテマリスやコンフィールドと剣の制約を交わして、リゼランドでも同じような儀式があると楽しいんじゃないかなーと。んで例の女王様が見てみたいです。

そういや、リゼランドといえば、ロイはまだ一人でパン屋の留守番をしているのでしょうか。作中2月中旬になったはずなのに、まだジュリアさんが公爵邸にいたので、10月末日の聖誕祭から、もう3ヶ月以上も店を空けていることになるみたいなんですが。

もしかして作中で一番不憫な人って、ロイ……?


身代わり伯爵の告白 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の告白 (角川ビーンズ文庫)
(2009/09/30)
清家 未森

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「さよならピアノソナタ encore pieces」杉井光(電撃文庫)
お久しぶり、なシリーズ初の短編集。表紙でネタバレですが、結婚式のシーンはありません。読んでみたかったなー。当然式には哲郎やエビチリだけでなく、神楽坂先輩や千晶、ユーリも呼んだんだろうなぁ。いったいどんな式になったんだろう。なんか、ハチャメチャな式だったんじゃないかと妄想。気になる。

「"sonate pour deux"」
24歳なナオと真冬の物語。結婚という選択肢を全く意識していなかったナオが笑える。相変わらずのニブさが微笑ましかったです。んでもって、二人を結びつけるのは結局音楽なのね。トオルさんのキャラが好きでした。この人も結婚式に呼ばれたかな。どうだろう?

「翼に名前がないなら」
大学生になった神楽坂先輩と千晶、二人のフェケテリコにサポートメンバーとして入った橘花の話。外側から見たフェケテリコが読めて幸せでした。いつか同志橘花と呼ばれる日が来るのでしょうか。来て欲しいような、4人だけのままでいて欲しいような。

「ステレオフォニックの恋」
本編の3巻と4巻の間あたりの話? ユーリ視点。
ユーリ可愛いな。コイツ。真冬もナオも同じくらいすきなんだなぁ。ほんとに。つか、真冬と二人で話しシーンよりも、ナオと二人で話しているシーンの方が、なんか色っぽい気がするんですが。気のせいですかはいそうですか。

「最後のインタビュー」
25歳、新進気鋭のプロデューサになったナオが、神楽坂先輩にインタビューを申し込む、というイントロダクションから始まる神楽坂先輩の過去編。彼女の過去の傷が明らかになります。リュウジと神楽坂先輩の結びつきが、とてもきれいでした。

「だれも寝てはならぬ」
ナオに「結婚することにしたんだ」と告げられた哲郎サイドの話。
哲郎の慌てっぷりがなんか微笑ましい。でもって案外冷静なエビチリがクールで好きでした。このひと結構良い親だよね……。


さよならピアノソナタencore pieces (電撃文庫 す 9-12)さよならピアノソナタencore pieces (電撃文庫 す 9-12)
(2009/10/10)
杉井 光

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「身代わり伯爵の失恋」清家未森(ビーンズ文庫)

「今日はしないって言ったこと。撤回してもいいですか?」
 途端、めそめそした気分は吹き飛んだ。瞬時に涙も止まり、ミレーユは慌てふためいた。
「えっ……!? いや、それはちょっと、困るっていうか……、だ、だめよ!」
「駄目ってことは、嫌ではないってことですよね」
「な……、どういう解釈……っ」
「嫌なんですか?」
 固まるミレーユに、内緒話でもするように声を落として彼は続ける。
「嫌じゃないなら、目を瞑って」


身もだえしたくなるほど王道をいくラブ&ファンタジー第8弾。

今回、かつてないくらいに糖度が高くてどうしようかと思いました。
開き直った殿下の破壊力が凄まじいです。これまでの彼なら、ミレーユに駄目と言われた時点で引き下がっていたでしょう。それなのに上記の会話ですよ!! 
なにこの強引さ。しかもその後さりげな~く目を閉じさせるんですよ。もうこのシーン身もだえしまくりでした。いいぞ、殿下! もっとやってくれ!! でもって殿下がここまでやってんのに、それをかわして逃げきれるミレーユが逆にすごいよ。

全体の4分の1くらいイチャラブパートだったような。甘い。読みながらゴロゴロと悶えたくなるシーンが多くて、たいへん楽しく読みました。
もちろん、シリアスもギャグもバランスよく織り込まれているので、甘すぎないところが好きです。いや、甘々でもオッケーですけどね。

しかし、ミレーユを助けるため、一人飛び出したリヒャルトは格好良いけれども、誰か止めろよ、と思わないでもないです。リヒャルト以外に助けにいける人がいない、そして国としてもミレーユを見捨てるわけにはいかない、という設定付けがちゃんとなされているから、この展開は必然ではあるんですが。
でも、自分が死んだら国の大事にかかわるという自覚が足りないように見えます。支持している貴族や帰還を待ち望む国民、そうして今まで彼をかくまっていたアルテマリス王国にまで失望させてしまうようなことになったらどうするんだ。もう少し慎重に行動してもらいたいものです。
そういうことをすべて投げ出せるほどミレーユが大事だっていう甘々ぶりは、乙女的には萌えるんですが、大人的思考回路で読むと少し引っかかります。まあ、この流れがルドウィックの台詞に現実味を持たせているのですが。

なので、想いを自覚したミレーユが身を引いたのにはすごく納得してしまいました。
ただ、身を引いて国に帰るんじゃなくて、さらに敵の手中へ飛び込んでいくところが、もうぶっ飛んでますけど。本当に、どんだけ行動力があるの。


身代わり伯爵の失恋 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の失恋 (角川ビーンズ文庫)
(2009/07/01)
清家 未森

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「wonder wonderful 上・下」河上朔(イーストプレス)
購入履歴からamazonさんに薦められて買ってみました。いつもはそんなに簡単にamazonさんを信用しないんですが、あらすじでもう面白そうな雰囲気だったので。

主人公のこかげは27歳で、ごく普通の社会人。だけど妹のひなたは度々異世界へ行ってしまう体質の持ち主。異世界の国ディーカルアが危機にあるたびに呼ばれ、落ち着くと戻ってくるようです。ディーカルアの王太子を助け、後に国王となった彼と恋人関係にあったりして、すっかり異世界への旅に馴染んでいます。
こかげはいつも妹の異世界旅行の話を楽しく聞いていたけれども、自分には縁のない世界だと思っていました。
ところがある日、こかげは異世界で熱を出し苦しんでいる妹の夢を見ます。夢というにはあまりにリアルな夢に、いてもたってもいられなくなったこかげは、ひなたのところへ行きたい、と強く願います。そうしてディーカルアへ渡ってしまうのです。
ディーカルアで妹は国王の婚約者として皆から敬愛され、護られていますが、妹のために飛び込んだこかげは、反対にひどく冷たい仕打ちを受けます。誰からも歓迎されず、厳しい視線を投げかけられるばかり。それには理由があって……。

web小説の書籍化ということで、小説自体は著者のサイトで今でも読むことが出来ます。
なのでわざわざお金を払って買わなくても良いんですが。個人的に紙媒体の方が好きなので、一冊1,300円でも買ってしまうのでした。買ってよかったと思います。
つか今までWeb小説って全く視野の外だったのですが、案外面白い作品があるものなのですね……。侮っておりました。編集者や校正を通さずに描かれた作品でも、面白いものは面白いのか。

もう、あらすじにもある設定だけでもう面白いってわかる気がします。妹側が主人公な話なら腐るほどありますが、その姉というのが面白い。27歳というある程度大人の女なので、向こう見ずな行動をしたり感情で走ったりしないところも見所です。そして、行った先の異世界で全く歓迎されないというのも、珍しくはないですけど、面白いですね。
ディーカルアを救った女神の姉としてやってきたのに歓迎されない。もちろんこかげは歓迎されたくて行ったわけではなく、妹を助けるためだったので、歓迎されなくても、何か理由があるのだろう、と妹が元気になったら帰るつもりでいるんですが。

そんな針のむしろ状態から逃れて、こかげが町へ下りたあたりから話が動き出します。呑気亭の人々がみな良い人過ぎて、一章とのギャップがすごい。なんかうまくいきすぎて胡散臭いくらいですが、まあそれも面白かったです。十二国記一作目のように救われたと思ったらまた裏切られる、ということにはならないので読者には優しいです。安心して読める感じが。

その他にも突っ込みどころもない訳じゃないんですが、全体として上手くまとまっていて、かなり読ませます。面白かったです。

特に下巻、王宮のみながこかげを認め、祭りとその裏の計画を盛り上げていく様は読んでいてとてもわくわくしました。仕事をしている社会人は強いです。こかげさんの姿勢は見習いたいものがあります。

んでもってもちろんロマンス要素も良いのですよ。はじめは最悪の出会いで、いがみ合っている二人がだんだん近付く様は、王道とはいえ、やはりニヤニヤさせられますね。よいです。

うーん、この人の描く話なら、妹さんを主人公にした話も面白いんじゃないかな。読んで見たい気もします。たぶんないでしょうが。


wonder wonderful 上wonder wonderful 上
(2008/09/13)
河上 朔

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wonder wonderful 下wonder wonderful 下
(2008/09/13)
河上 朔

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「身代わり伯爵と伝説の勇者」清家未森(ビーンズ文庫)
身代わり伯爵シリーズ短編集。いやー面白かった!
本編がちょっとシリアス調になってるので、箸休めになってよいですな。
個人的には書き下ろしの「薔薇園の迷い子」が好きです。

「運命の鏡」
「結婚」直後のお話。のぞくと運命の相手が見えるという秘密の鏡。その真相を確かめたくて鏡を見に行ったセシリアは、そこで大事な日記を落としてしまい……。
ツンデレ殿下大爆発です。可愛いなぁ。可愛いなぁ。そして隙あらばいちゃつく主役カップルがたいへんよろしい。「本物」になる鏡もお約束で素晴らしいですね。

「伝説の勇者」
「挑戦」前の話。領地に出る魔物退治にフレッドが暴走!
フレッドに振り回される周囲の人々がたいへん愉快です。とくにマリーが一番その被害を受けているような。変人の気に当てられつつも懸命な彼女が可愛かったです。ところで、4番目に好きな名前って言ってましたけど、上位3人が良く分かりません。リディエンヌさまとミレーユは分かるけど、あと一人は? もしかして自分のことではあるまいな。

「秘密のデート」
「決闘」の後半あたりの挿話。ミレーユとヴィルフリートの間違いだらけのデート編。
超お約束・手紙の入れ間違いと想い人を勘違い、の二重苦に気が付かないまま、それでも仲良く二人で城下を歩くさまがたいへん良かったです。ヴィルフリートさま可愛いなぁ。あと殿下に嫉妬してミレーユを問い詰めるリヒャルトも可愛い。しかし青薔薇騎士団はなぜミレーユの男装に気付かない……。お約束だからか。

「薔薇園の迷い子」
聖誕祭前のひととき。ミレーユは王太子とリディエンヌのお茶会に招かれ、二人の馴れ初めを聞く。ジーク視点の過去編。
今回一番好きな短編。これまたお約束な、好きになってはいけない相手に惹かれてしまう、ってとこがもう! ニヤニヤしっぱなしでしたよ。つか、リディエンヌさまの性格がとても素敵で惚れそうです。彼女のハーレムに入りたい。切実に。
しかしメインの二人の恋よりもニヤニヤしてしまったのが、リヒャルトの言動。ミレーユと出会う前の淡白さがたまりません。正確にはその後の変化とのギャップが。

お茶会に誘われたら、相手にお菓子を食べさせてやって楽しめば良いのに、とジークに言われて、

「へえ……。楽しいんですか、それって」

とか言ってた男が、ミレーユにはしょっちゅう手ずからお菓子を食べさせているこの事実をどうしてくれよう!!
その上「決闘」では、

「あなたにお菓子を食べさせるのは俺の趣味なんです」
「ここしばらくやっていないので、鬱屈がたまって……」

とか言ってやがるんですよ! アンタ、ミレーユに会ってから変わりすぎだろう!

「求婚」でミレーユが回想して、お菓子を食べさせてくれるとき、指が唇に触れるのを、わざとじゃないと分かっていてもドキドキしてしまった、とか描いてますが、わざとだから、それ。他意ありまくりだから。気付けよ!!

いやもう、たいへん楽しいですね。この小説。大好きです。

どうでもいいけど、登場人物紹介のページがおかしいよ。「潜入」「求婚」と逆なんじゃ?


身代わり伯爵と伝説の勇者 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵と伝説の勇者 (角川ビーンズ文庫)
(2009/05/01)
清家 未森

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「身代わり伯爵の求婚」清家未森(ビーンズ文庫)
鈍すぎる人々が繰り広げる王道ラブファンタジー第7弾。
アルテマリス編も面白かったですけど、シアラン編に入ってからは面白さが更に上がって、本当に読むのが楽しいです。楽しすぎるので一人焦らしプレイでじっくりゆっくり読んでいます。ああ幸せ。

自分の考えにいっぱいいっぱいなあまり、男装で潜入してるという意識すら忘れて周囲に悩みを相談するミレーユがものすごく奇異でした。ここまで素を出しまくってるのに、なぜ第五師団の面々は気付かないのでしょうか。鈍いにもほどがあります。副長のが普通だと思うのですが……。シアランでは女性の短髪はそれくらいありえないということでしょうか。女性の短髪は姦淫の刑罰とありましたけど、そんな勘繰りをしない副長は紳士だと思います。

さて、今回もラブパートがたいへん愉快でした。特に序盤。式典の夜のことを詳細に責めるミレーユの男気に感服です。自ら赤裸々に語ってるところが本当に男前。
そうか……「潜入」で問題のシーンは、わりと淡白な描写でしたが、実は30秒にも渡っていたんですね。へーえ。
窒息しそうだったとか、ぼーっとなったとか。行間でそこそこ濃厚なやり取りがあったみたいで、このシーン読んだあとにもう一回「潜入」を読み返すと、もうニヤニヤが止まりません。

個人的には、このシーン、何しに来たんだリヒャルト、と思ってるんですが……。危険をおして敵中に潜入したクセに、ミレーユと痴話喧嘩だけで終わってるんですが。大事な御身で、そんな迂闊な行動がアリなんですか。ホントはミレーユを無理やり追い返すつもりだったんでしょうけど……。詰めが甘いよ、詰めが。

後半ラブパートもなかなか見もの。タイトル「求婚」てホントだったよ……と吃驚。いつもちょっとタイトルと微妙にズレた内容なので、今回もタイトルを信用していませんでした。ま、本人には通じてないみたいですけどね。あれだけ言われて気付かないって、どんだけ鈍いんだ、ミレーユ嬢。


身代わり伯爵の求婚 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の求婚 (角川ビーンズ文庫)
(2009/01/31)
清家 未森

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「身代わり伯爵の潜入」清家未森(ビーンズ文庫)
行動力ありすぎですよ、ミレーユさん。
無自覚天然娘が大暴走する王道ラブコメ第6弾。相変わらずシリアスとギャグとラブパートのバランスが素晴らしい。

今回ちょっと読んでて意外だったのが、ミレーユが何もできないところ。
剣も乗馬もダメ。学力もナシ。最近の少女レーベルの主人公にしては珍しいくらい何も出来ませんね。逆にびっくりしましたよ。
昔はこういうタイプのヒロインが王道だったなぁ、そういえば。

シアラン騎士団に潜入しても、ほぼ天然のまま無防備すぎるくらい素で行動しているミレーユですが、それがバレていない理由付けが上手いなーと。ほんと、演技力も皆無なクセに、よくもまあ潜入しようとか思いつくものです。ちょっとは周りの苦労を慮れ。リヒャルトがちょっと可哀想になってきましたよ?

そんな彼もやってくれましたが。ええ、何度も読み返してニヤニヤしてしまいましたよ。OK! ありえないくらいニブいミレーユには、そのくらいしてやらないとね!
今回ラブ度少なめだなーと思ってましたが、ページ数ではなく質ですね! あー楽しかった。ミレーユさんも頑張って復讐に走ってもらいたいものです。くくく。


身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫)
(2008/10/01)
清家 未森

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「身代わり伯爵の脱走」清家未森(ビーンズ文庫)
あざといくらいに王道を行くラブ&ファンタジー第5弾。
公爵令嬢であることが内外にバレてしまったミレーユ。シアラン公国からの縁談をどう切り抜けるのか。因縁ある相手にリヒャルトはどう出るのか。急展開のわりに相変わらずなギャグ要素も脱線しない程度に盛り込んで、読みやすさ満点でした。

巻を追うごとに面白くなっていきますな、このシリーズ。すばらしい。
なんと言っても主役カップルがくっつけば何もかも上手く行くように練られた乙女設定が凄い。
アルテマリス側には、二人の仲に本気で反対な人はいないところが良いですね。
あなたにはふさわしくないわ、とかいうライバルが出てこないところが好き。みんなから応援されてるんだぜ……。ほのぼのするじゃないか。
ミレーユのような破天荒な下町娘も受け入れる、アルテマリス王宮の懐の深さに脱帽です。

当の二人が、各々心を決めればあとはハッピーエンドまで一直線なんだろーなー。
ま、そう簡単にはいかないんでしょうが。

しかし、ルーディお姉さまが危惧した展開にならなかったのがとっても残念です。せっかく二人きりだったのに! もうちょっと押せよ! 寝てから行動するなー!!!


身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫)
(2008/07/01)
清家 未森

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「翼の帰る処2 鏡の中の空 上・下」妹尾ゆふ子(幻狼ファンタジアノベルズ)
そんなわけで、気付いたら続編に手を伸ばしていました。
さわりだけ読むつもりが、いつのまにか上巻を読み終わり、今度こそさわりだけ、と下巻を開いたら、もう本が閉じられなくなって困りました。眠い! でも読みたい!!
睡眠時間を大幅に削られてしまいました。 でも面白かった、面白かった、面白かったー!! あーもう大満足。

虚弱体質で、そこそこ貯蓄できたらすぐさま隠居したい、と節に願っているヤエト先生が、どんどん夢から遠ざかって重用されてしまう、哀れみと笑いを誘うファンタジー第2弾。

何かあればすぐ倒れ、熱を出し、隠居したい面倒くさいいっそ死にたいと言っているくせに、生真面目で有能すぎるのが彼の不幸でしょう。皇女からは絶対に失えない唯一無二の腹心と全幅の信頼を寄せられ、部下からは頼られ、左遷された平の尚書官だったはずが、気付けば皇帝に「我が友よ」とか(嫌がらせだけど)言われて、怒涛の大出世。
周囲から見れば羨まれ嫉まれるほどの幸運なんでしょうが、ヤエトにとっては大迷惑。叙爵シーンはたいへん楽しく読みました。
身に余る栄誉を与えられたはずの本人の感想は「死にたい」ですからね。本当に可愛そうです。ニヤニヤ。

そのくせ、与えられた役割を実に見事にこなしていきます。ただの平民が大出世したのだから、いろいろ戸惑ったり失敗することもあるだろうと思ってたんですが、ちゃんと役割に適した対応をしているところが本当に凄い。
いつ死んでも良いと考えているために無駄に勇敢だし、体面とか常識とかに無頓着なのでいつでも泰然としている(ようにに見える)し、表情に乏しいから内心の葛藤や困惑が外から推し量れないので、いつも冷静に見えるし、生真面目な性格なので私利私欲にはぜったい走らないし。洞察力は鋭いし、判断は的確だし。この人、病弱でさえなかったらホントに完璧人間か?

さらに今回は予言者から「救い主」とまで言われてしまいました。
こんなに病弱なのに、どうやら世界を救わなくてはならないみたいですが、大丈夫なのでしょうか。彼の心労を思うと心配です。ニヤニヤ。


ところでこのシリーズ。皇女とヤエトが、ラブ方面に進展する要素はあるのでしょうかねぇ?
なんとなくフラグが立っているような、立っていないような……。身分的には釣り合うようになってしまったので、可能性はないわけじゃないと思うんです。
でも22歳も年齢差がある上に、ヤエトにそんな気概がないので、ぜんぜん予想がつきません。皇女の方は多少意識してる面もあるみたいですけど、彼女から迫るってのも想像がつかないしなぁ。

いづれにせよ、続きがものすごく楽しみです。


翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
(2009/07)
妹尾 ゆふ子

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翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
(2009/08)
妹尾 ゆふ子

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「身代わり伯爵の決闘」清家未森(ビーンズ文庫)
乙女の夢が大暴走な王道ラブコメ第4弾。楽しすぎる。
前作「挑戦」のラストが不穏当だったのですが、予想していたようなシリアスな展開にはならず、今回もミレーユはドタバタと王宮を駆け回っています。

王太子の婚約者リディエンヌたちと、なぜか乙女劇団を立ち上げて、団長を任されてしまったミレーユが奔走する話。ところどころにシリアス展開を匂わせながらも、バランスよくギャグパートもラブパートも織り交ぜて、気付けば一気に読んでしまいました。

時々フレッドのフリもしているけど、基本、ミレーユとして動き回っているので、既刊と比べるとなんだか彼女が生き生きしているように見えました。女の子同士でわいわいやっている所がたいへん和みます。シャロンの脅しも素晴らしいです。

このシリーズ、イヤな女の子が出てこないところが好きです。
ミレーユは公爵の娘で、現国王の姪ですが、下町パン屋の娘として生まれ育っているので、貴族としての素養はゼロ。なのに、彼女を見下す人が周りにいないのが良い。ちょっとご都合主義な感じですけど、ラノベだしね。難しいこと考えないで楽しく読めるの魅力なのです。

んでもって相変わらず隙あらばいちゃつく主役カップルが楽しすぎる。良い所で入る邪魔。無自覚に危うい台詞を言うミレーユと、自覚的にきわどい台詞を言ってるのに、鈍感娘に華麗にスルーされるリヒャルトの、なかなか進展しないラヴが、ごろごろ悶えたくなるくらい楽しいです。

次巻あたり、リヒャルトの秘密が開かされて、二人の仲も進展するのかな。


身代わり伯爵の決闘 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の決闘 (角川ビーンズ文庫)
(2008/04/01)
清家 未森

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「翼の帰る処 上・下」妹尾ゆふ子(幻狼ファンタジアノベルズ)
帝国の尚書官ヤエトは病弱で厭世的。夢の隠居生活のため何事にも大きくかかわらず生きていくつもりが、生真面目な性格のためについ余計なことをして、どんどん隠居から遠ざかっていく話。

左遷された北領の地で地味に暮らすつもりが、それまで放置区だった北領に皇帝の末娘が太守としてやってきたために、その副官を任じられ、背負わなくて良い苦労を重ねていくヤエトが哀れでたいへん面白いです。
政治に疎い北領の民と帝国の騎士団たちとに挟まれて中間管理職的苦労を一身に受け、面倒くさい、死にたい、隠居したいと悩んでいるわりに、持ち込まれるゴタゴタを上手に解決してしまうので、彼の苦労はいや増すばかりです。
次第に北領の民からも太守の皇女からも信頼され、なくてはならない存在になっていきます。彼の夢とは裏腹に。

作中でなども倒れたり発熱したり吐いたり寝込んだりしているのに、病を押しても働いてしまうその性格が問題だと本人も自覚しているところが余計に哀れ。出世がこんなに可哀相な主人公もそういないと思います。

続編が出ているので、そちらも早く読みたいです。


翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)
(2008/10/31)
妹尾 ゆふ子

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翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)
(2008/11/28)
妹尾 ゆふ子

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「追想五断章」米澤穂信(集英社)
古書店アルバイトの芳光は、ある日、父の書いた小説を探して欲しいという依頼を受ける。報酬に惹かれて始めた短編探しだが、探し当てた短編に触れ、その描かれた事情を知るうちに、芳光は次第に自らの境遇をつよく意識させられることになる。5つのリドル・ストーリーと22年前の事件の関係が明らかになるにつれ、芳光は一つの決断を得る   

米澤穂信らしい小説でした。雰囲気は「ボトルネック」や「さよなら妖精」に近いです。「古典部」や「小市民」シリーズが好きな方にはオススメしませんが、前者が好きな人にはオススメです。わたしはたいへん面白く読みました。

たぶん、わたしが最初に読んだリドル・ストーリーは、北村薫の「朝霧」の中じゃないかと思います。んで、この結末を描かない物語形式は、たいてい、悲劇で終わるように読み取るのが正解っぽく書かれているという印象を持ってしまっているのですが、偏見でしょうか。悲劇じゃないほうが好きだけどなぁ。

しかし米澤氏はほんとうに小説が上手いですね。入れ子になった話が見せる物語の別の側面と、その見せ方がほんとうに上手い。描かれなかった最後の一行をどう捉えるか、それが事件の真相を浮き彫りにするさまが実に見事だと思いました。

これからもこの作家さんの新刊は追いかけていこうと思いました。


追想五断章追想五断章
(2009/08)
米澤 穂信

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「身代わり伯爵の挑戦」清家未森(ビーンズ文庫)
男装ドタバタ王宮ラブコメ第3弾。なんつー乙女のための物語ですなぁ。素晴らしい。
設定がもう乙女乙女していて、よみながらニヤニヤしてしまいます。

今回は兄のフレッドの身代わりではなく、ミレーユとして王宮に出入りしているので、女の子同士の会話がたいへんか可愛らしいいです。王女セシリアの乙女日記がまたぶっ飛んでいて素晴らしい。素で読めずに斜め読みしてしまいましたよ。なんつー妄想全開か。

この乙女日記を偶然拾ってしまったためにセシリアに目をつけられ、彼女の侍女として軟禁されてしまうミレーユ。隣国シアランの政治的陰謀もちょっぴり絡んで、今後はシリアス展開かな? 王女の素性が明らかになったおかげで、リヒャルトの事情もなんとなく読めてまいりました。この人、ヘタレなんじゃなくて、抱えている事情のために、ミレーユに手を出すのを自制している、という感じです。そんなのすっとばしてさっさといちゃいちゃしてくれよ、と思うんですけどねー。

しかしこの鈍い展開がまたたまりません。良いところで入る邪魔。邪魔が入らないときは自制。もどかしくてジタバタさせられますが、そのぶんじっくり楽しませてくれます。うーん王道ってスバラシイ。


身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫)
(2007/12/01)
清家 未森

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「トーマの心臓」森博嗣・萩尾望都(集英社)
実は萩尾望都を読んだことがありません。つか、いわゆる24年組のマンガを読んだことがありません。一冊も。面白いんだろうな、とは思いますが今のところ読む気はないです。
でもこれは森博嗣がノベライズなので発売日に迷いなく購入。そして買ったその日のうちに読みました。物語の舞台が日本だったりと原作と違うところもあるらしいのですが、原作未読なので何ともいえず。でも森博嗣ファンなわたしとしてはは大満足な一冊でした。面白かった! 原作ファンがどう捉えるかは知りません。

あまりに有名なマンガなのであらすじを書くことに意味を見出せませんが、一応まとめると、死んだ下級生とそっくりな人間が転校してきたことで、その死の謎が明らかになる話? この、死んだ人とそっくりな人が関係者の前にやって来るって展開はけっこういろんな物語に見受けられるので目新しくないと思うのですが、原作が描かれたころは珍しかったのかな。その辺の背景が分かるともっと楽しく読めるのかもしれません。興味ないけど。

この小説では主人公はオスカーで、彼の一人称で話がたんたんと進みます。ユーリの葛藤みたいな描写は森博嗣らしくさらっとしていて、わたしはそこが好きです。ユーリの過去に何があったのかも直接説明しているシーンは何処にもありません。一見突放して物事を見ているようなところがたいへん面白かったです。原作とどれくらい違うのか興味はあるので、いつか機会があったら(歯医者の待合室に置いてあるとか、誰かが無理やり貸してくれるとか、そのくらい消極的なんですが)読んでみたいものです。


トーマの心臓 Lost heart for Thoma (ダヴィンチブックス)トーマの心臓 Lost heart for Thoma (ダヴィンチブックス)
(2009/07/29)
森博嗣/萩尾望都(原作)

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「身代わり伯爵の結婚」清家未森(ビーンズ文庫)
1巻を試しに読んでみて気に入ったこのシリーズ。読み終わってすぐさま既刊を全部買い揃え、わくわくしたり、ごろごろ悶えながら少しずつ読んでます。ああ、面白いとわかっている積読本があるのは幸せだなぁ。

下町パン屋の娘ミレーユが、双子の兄フレッドのぶっ飛んだ行動のために、兄の振りをして王宮を走り回るドタバタコメディ。
今回、タイトル「結婚」とあるのに作中誰も結婚しないので、それはどうかと思うんですが。あえて言うなら「結婚騒動」とか「婚約騒ぎ」とか「肝試し」ではないでしょうか。でも話は面白かったです。
ベタな展開が最高。

ミレーユは実は公爵の娘で、先に事情を知り公爵家の正式な息子となっているフレッドは王女セシリアの近衛団長。ふだん下町で暮らしているミレーユには雲の上の存在ばかりで、とても兄の真似などできそうにない感じなんですが、やると決めたらやる、という無駄に男らしい性格のため、今回もとことん頑張ってました。

んでもって事情を知ってる護衛役のリヒャルトとのラブコメパートがたいへん愉快です。
亀より遅々として進まない二人の仲がこのシリーズの最大の見所。ものすごくニブいミレーユの言動はある意味最強。自覚なく危うい台詞を言いまくるので、その言動に振り回されている感のあるリヒャルトがたいへん哀れです。

脇を固めるキャラもみんな個性豊か。ツンデレキャラな王女セシリアは、ツンなときの言動が激しすぎるし、王太子とその婚約者の性格も好きです。フレッドに求婚してるはずのシルフレイアも良いキャラです。読んでてすごく楽しい。

はやく続きを読まねば。


身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫)
(2007/07)
清家 未森

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 4巻」伏見つかさ(電撃文庫)
3巻読んだ時に、このハナシはもうこれ以上引っ張れないだろう、と思ってましたが4巻が出たのでビックリしました。2、3巻がほぼ1巻のテンプレに沿って展開していたのでちょっと飽き飽きした面もありましたし。

で、こうなるわけですね。新展開にはビックリです。
つかラスト。「先輩」と呼びかけたのが誰なのか、文章での説明はなかったのがラノベ的でたいへんよろしいですね。イラストあってのラノベだなぁとつくづく感心しました。

個人的には、イラストに頼らない、文章だけで勝負してくれる小説のほうが好きですけど。イラストがなくても買うだろうな、と思うシリーズも沢山ありますが、この小説に関してはイラストがなかったら買ってないだろうなー。そんなに好きな絵師さんじゃないんですけど、小説と上手くあっていて、売るための戦略が露骨に見えるところが好きです。

5巻の展開は読者アンケートに委ねられるようですが、どう動くのか楽しみです。


俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉 (電撃文庫)
(2009/08/10)
伏見 つかさ

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「身代わり伯爵の冒険」清家未森(ビーンズ文庫)
駆け落ちした双子の兄に代わって、下町育ちの少女が男装で王宮を駆け回るドタバタコメディ。多少ラブあり(か?)。

なんとなく気になりつつ放置していたシリーズ。ネットで好きな作家さんが褒めていたので読んでみました。
面白かった! 
とにかくテンポ良く話が進んで読みやすい。そしてお約束でベタでテンプレな展開が満載で読みながらニヤニヤできるところが素晴らしいです。王道ラブコメの惹句に違わない物語でした。
落ち込んでもすぐに立ち直る主人公のミレーユが可愛くて良いです。
そして兄のフレッドが好きだ……。こういう出来るんだかアホなんだか判断に苦しむキャラは大好きです。
そして、ものすごく鈍いヒロインと少々ヘタレな相手役の今後がかなり楽しみです。

そんなわけで「冒険」を読んだ直後に本屋に行って、既刊を全部買い揃えてしまいました。(早っ)
これから読むのが楽しみです。


身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫)
(2007/02)
清家 未森

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