読書メモ
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「光炎のウィザード 未来は百花繚乱」喜多みどり(ビーンズ文庫)
最終巻です。
見習い魔術師のリティーヤは世界でただ一人、失われた<昼>魔術を使えるせいで、彼女の指導教官であるヤムセとともにさまざまな争いに巻き込まれます。さらに周囲の人々も巻き込みます。そんな彼女が選ぶ未来とは   

人類に課せられた<運命>の謎とか、リティーヤの家族の行方とか、ミカの未来とか。これまでの謎や伏線をきれいに回収して、鮮やかな終わりでした。

リティーヤは見習いで、教師を困らせてばかりのおちこぼれというイメージがどうしても払拭できなかったのですが、実戦ではかなり魔術が上達していますよね。
理論や語学が駄目なだけで、難しい治癒魔術も使えるし、石板を封じることも出来るし。
この先、ヤムセの指導の下で立派な魔術師になりそうな気がしてきました。
……ヤムセはすごく苦労しそうですが。まあ自ら選んだ道だし、むしろそんな苦労すら楽しみそうですけど。

つか、イルザークとヤムセは間違いなく類友だと思います。あんがい行動がそっくりだよ。
段階を一つ二つ踏み飛ばすところなんかが特に。


   二度も手放せるか、こんなもん。

ってシーンはニヤニヤが止まりませんでした。
呆然とするリティーヤを放ってトラリズ親子と会話するさまにも床ローリング。

「運命は千変万化」のラストでリティーヤを列車内に拉致した後、我関せずみたいに本を読んでいたシーンとあわせると、つまりヤムセなりに照れてごまかしているのかも知れないとも思うのですが。それにしてもひどい男だ。もっとやって!!

これで最終回って少し寂しい気もします。
彼らの今後を短編などで読んでみたいです。


以下ネタバレ。

光炎のウィザード  未来は百花繚乱 (角川ビーンズ文庫)光炎のウィザード 未来は百花繚乱 (角川ビーンズ文庫)
(2009/12/01)
喜多 みどり

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個々に感想を。

■ゼストガ
良い男になりましたよねぇ。《学園》に戻るなら自分で消化しろ、とリティーヤを突き放すところが良かったです。ホントにリティーヤに甘い奴だ。口も性格も悪いのに、誠実で優しい男です。

■グレイビル
自らの野望に振り回されてしまったシーンには驚きました。
でも案外、彼の反応は魔術師として同然であって、ヤムセやロードマスターのように、<昼の王>になりたくないと思う魔術師のほうが希少な気がしました。肉の壁のシーンは格好よかったです。

■トラリズ親子
たいして登場してないのに好い所持って行きましたね……。リティーヤに連絡先を教えていた意図が以外で吃驚しました。予想が当たってましたね。ふふふ。「待ってました!」のシーンは大好きです。

■シルルト
結局この人もキツネに踊らされた可哀想な人だったのかも、と今なら思えます。
石板を集めたときの容赦なさとか、ほんとキツネより敵! って感じの人だったんですが。最後にロードマスターに魔術を返したのは何でなのか、少しだけ不思議なような、気持ちが分かるような。

■ロリロナ
結構好きな子なんですが。まさか彼女が<昼の王>になるとは思いませんでした。ほとんど記憶がないみたいですが。今後、ヴォルドの下で苦労すると良いと思います。

■ヴォルド
アンタ鬼や。最終巻はあまり活躍がないようでいて、要所要所で重要な働きをしてますね。おいしいキャラだー。つか、ラストシーンで駅舎の屋上にいた訳ですが。ヤムセたちのこと見てたのかな。ロリロナが見てたんなら見てたんでしょうね。そのときの反応が読んでみたかった気もします。

■ロードマスター
ヤムセの「子ども扱い」を指摘したシーンがすごく好きです。この人もリティーヤとヤムセに振り回されて苦労してるなぁと。《ヘビの一族》の書籍検索のときとか、昨夜は何もなかったよね? のシーンとか。気まずい雰囲気に圧されず頑張ってますよね。
彼が今後原因を突き止めると言っていた、魔術師同士の子どもが先天的に虚弱な理由は、<昼>魔術の欠陥が理由だったりしないかなー。それだったら解決が早いのになー。つかバドとテヨルのこと気づいてるのがさすがです。
ところでいつも異常なほど食べるの早いんですが、いつの間に食べているんですか?

■テヨル
あんまり出番がなくて寂しかったです。でもラストでロードマスターを迎える笑顔が好きだー。ヤムセもリティーヤもいなくなった研究室は、きっと静か過ぎて、でも研究がはかどることでしょう。

■バド
ヴォルドを見てるだけで止めないあたり、この人も結構オニですな。ロードマスターにテヨルとの関係がばれてるって分かったらものすごく動揺しそうで、そのあたり見てみたかったです。

■ミカ
人に戻れてよかったけど、リティーヤとは結局会わずじまいなのが寂しかった。でもきっとまたいつか出会うでしょうね。幸せになれそうで、良かったな、と思います。

■イルザーク
段階すっ飛ばしたプロポーズが可愛すぎる。あと、セリネ様を思い出して怯えているところがなんか笑えた。この人の、セリネ様に対する感情って、恋のドキドキではなく恐怖のドキドキだったのではないかと疑っています。ちょっと抜けてるあたりが、ビミョーにファルクロウに通じます。ま、ミカと幸せになってください。


■ファルクロウ
何やってんの、お兄ちゃん……。
この一言につきる。でも最後で家族みんなが揃うシーンは泣けました。ちょっと描写があっさりし過ぎで物足りなかったけど、きっと行間で尽きない家族の会話があったんじゃないかと思います。結婚式の日にみんな揃うなんて、きっと家族にとってはこの上ない奇跡だったんだろうなぁ。良かったな、と思います。
しかし、お兄ちゃん、台座をめぐる最後のシーンであんまり活躍してないのは良いとして、リティーヤが<昼の王>になったことはどう考えているんだろう。それでもお兄ちゃんは妹が大好きだ! とかかな。(謎)

■キツネ
「……大好きだよ、嬢さん」には泣きました。いろんな人の運命を狂わせながらも、それでも彼らを愛していたキツネ。そしてその彼を愛したリティーヤ。ホントに家族だったんだなぁ、この二人は。キツネが運命から解き放たれて、本当に良かったと思います。虹色ドロップをヤムセにも分けてあげて欲しかった……。無理だと思うけど。

■ヤムセ
デイロックの屋敷での「夜這い」のシーンで勤めて平静にしているところとか。誘拐後の「子ども扱い」を指摘されて固まるところとか。ときどきリティーヤの金髪に見惚れているところとか。ペストリーの上にさらにハチミツと砂糖をまぶす荒業とか。リティーヤのために、キツネにとどめを刺すところとか。列車のコンパートメントから飛び出したリティーヤに押し倒されるところとか。理性で押し殺した感情が、リティーヤの涙であっさり崩壊するところとか。左手だけでしっかりと彼女を拘束しているところとか。そのくせ呆然とするリティーヤを無視して話を進めるところとか。でもちゃっかりリティーヤの鞄は持っているところとか。
なんかもーヤムセの行動に逐一床ローリングさせられました。ふん、幸せになってしまえ!

■リティーヤ
子どもな様でいて、ときどきびっくりするほど大人っぽくなる娘で、みょうに色気のある主人公でした。挿絵と描写される人物像がぴったり一致してるよなー、といつも感心していました。
しかし自らコンパートメントを飛び出して、ヤムセの下に走ったワリには、自分の気持ちに無自覚な気が。リティーヤがはっきりヤムセを好きだと言うシーンはないんですよねー。それを言うならヤムセもそうなんですけど。お互いが必要なクセに、それをはっきり言葉に出来ないのは、つまり魔術師同士の婚姻が禁じられているから? じゃなくて単に二人とも天然なだけ? なんか後者な気もしますが、きっとこの二人は、互いを罵倒しつつも、ずっと一緒にいて、いずれは幸せな家庭を築いてくれそうです。
絶望の中、最後まであきらめずに四分の一秒を一人で戦って、そうして、幸せを掴み取ってくれて良かった。
ミカのことも、虹ドロさんも、家族も。みんな彼女の願いがかなって、ほんとうに良かったな、と思います。


長々と書き連ねてきましたが、ホント面白いシリーズでした。
出会えてよかったな。
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