読書メモ
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「身代わり伯爵の誓約」清家未森(ビーンズ文庫)
お約束でベタでテンプレな展開が満載の王道ラヴ&ファンタジー第10弾。6冊にわたったシアラン編の完結です。いえー。

前作「告白」で記憶を失ったミレーユがどうなるのか、それを知ったリヒャルトがどう出るのか、この二つだけが気がかりだったのですが、まさかこう来るとは!!

記憶を失っても、ミレーユはどこまでもミレーユすぎて吃驚しました。
どんなときでも斜め上を行く行動力の彼女が、わたしはますます大好きになりました。
このシリーズで一番好きなキャラですよ。

以下、ネタバレで。無駄に長いです。

身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)
(2010/02/01)
清家 未森

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読んでいる最中に思ったことといえば、君たちキスしすぎ、でした。
ミレーユじゃないけど、何回するの? とニヨニヨが止まりませんでした。
リヒャルトよかったなぁ本当によかったなぁ、と気分はすっかり母親。
嬉しさのあまりこみあげる涙をこらえることができず、草原へ飛び出して喜びのダンスを小鳥たちと踊り狂おうとしたら、小鳥たちに逃げられたのですごすごと戻ってきました。

しっかし。
リヒャルトという男が来たら殺せ、と暗示をかけられたり、ウォルター伯爵の魔術師に術をかけられそうになったりして、前半、ミレーユは絶体絶命の大ピンチだ! とけっこう本気でハラハラしていたんですが。


「安堵のあまり、脱力してました……。記憶をなくしても、ミレーユはミレーユですね」

って台詞。この時の読者とリヒャルトの心は一つだったんじゃないかと思います。
ほんとにね。ミレーユ、あなたって娘は。
まさかドレスの中に武器を隠し持っていたなんて思いもしませんでしたよ。湖を泳いだあと、ドレス脱いでてよかった、って言ってますけど、それより武器を置いてきたことに安堵しろよ! 中に金槌だの鉈だの武器を括りつけたままだったら、さすがのリヒャルトでも助けられないかもしれないよ! まったく。恐ろしい娘さんです。

てか、いくら動きにくくて目立つからって、ドレスを脱ごうとするあたりがもうぶっ飛んでます。「後ろをはずして」とか「ねえ、早く」とかって台詞。きっと別の場面で聞きたかっただろうな……。リヒャルトも可哀想に。でもそんな彼女に惚れ直したそうなので、中てられまくりの読者としては、ああそうですか、あんたらそうやって一生いちゃいちゃしているがいいわ!! ってな気分です。ごちそうさまでした。


さて。
今回わたしが一番好きなシーンは、リヒャルトが一撃で親衛隊の一人を絶命させてしまうシーンです。
人が死んでる場面なので不謹慎ではありますが、『結婚』で戦うリヒャルトを目の当たりにしてショックを受け、彼を一瞬拒絶してしまったミレーユが、今回は即座に立ち直って、逆にリヒャルトを気遣うことができるようになったことが、最も印象的だったからです。
それから、一度も剣を使わずにいたリヒャルトの気遣いに、ミレーユがきちんと気付いたこと。
大公位を取り戻すためには、血を流さずにはいられなかった。その事実を二人で背負っていけるなら、この先も二人はきっと大丈夫だと思ったのです。

他にも、泳ぎには自信がないのに、リヒャルトと一緒なら絶対大丈夫、と湖に飛び込むところとか、大聖堂で首に剣を突きつけられても、リヒャルトの合図で彼を目指して走り出すシーンとか、互いが互いに全幅の信頼をよせていることが伝わってきて、思いが通じ合った二人は最強だなぁ、としみじみ感じ入ってしまいました。

あと穿ちすぎかも知れませんけど、既刊と似たシチュエーションで、しかし既刊とはまったく違うシーンがそれぞれの巻ごとにあるような気がします。

『冒険』はもちろん花火のシーン。「俺のことも見て」の台詞には悶えました。
『結婚』だと上記の、目の前で剣を使うところ。
『挑戦』では耳飾り。ただの誕生日プレゼントで他意はない、と思い込もうとしていたミレーユが、きちんとその重みを理解して受け取っています。耳飾りの重さを感じつつ、覚悟を決めているミレーユが好き。
『決闘』なら駆け落ちかな。手を取り合っての逃亡劇に共感しつつも、実行に移せなかったリヒャルトが、今回はかっちりミレーユを攫ってくれました。小聖堂でのやり取りは何度読み返しても身もだえする!!
『脱走』。ジークにミレーユを連れ去られたとき、リヒャルトはあとを追おうとしてすぐ止めました。が、親衛隊に連れ去れてたときはもちろんすぐさま後を追ってます。邪魔な親衛隊をジャックたちに任せて。『失恋』でもジャックは似たような目に遭ってますね。(笑)
『潜入』で「嫌い」と嘘を吐いて相手を追い返そうとしたのはリヒャルトでした。立場変わってミレーユが「嫌い」と言ってますが、ミレーユの「嫌い」は誰が聞いても「好き」にしか聞こえません。泣きながら「嫌い」だなんて可愛すぎ。p99の挿絵のミレーユは本気で可愛かった! リヒャルトじゃなくても抱きしめたくなります。
『求婚』からは、やっぱり求婚シーン? 意味がわからないまま肯いていたミレーユは、それはそれで可愛いかったですが、意味を理解した上で受けるミレーユは、その何倍も可愛い!! 「ふつつかものですが」って、ミレーユからそんな台詞を聞くとは、とかなり和みました。くそう、可愛すぎだよ、ミレーユ。
『失恋』は、顔が見えない状況でミレーユが吐く嘘、かな。今回はリヒャルトはまったく騙されてません。バレバレな嘘だというのもありますけど、リヒャルトがミレーユの気持ちを疑っていないからこそ、でしょうね。このシーン、リヒャルト視点の描写も読んでみたかったなぁ……。
『告白』のミレーユの夢では花嫁衣裳を褒めるリヒャルトですが、実際は「似合わない」と一刀両断。あまつさえ脱がせようとするなんて!! 本気で床ローリングしました。ここでいっちゃう? って、そんなわけはない。

とまあ、こんなふうに、思いが通じる前と後の反応を読み比べると、二人の成長と絆の深さを見るようで、大変楽しくなります。すれ違っていた二人の思いが重なったところを、これほどまでに見せ付けられるとは。もう嬉しくって仕方ありません。ほんとに、ほんとに良かったなぁ!!

大好きですこのシリーズ。読めてよかった。


その他。気になったところを。
ちょっと意外だったのが、オズワルドが<星>を偽物だと気付いてなかったところ。『告白』で、ミレーユの目の前で<星>をつぶした後、興ざめしたようになってたので、あ、やっぱりフレッドがすり替えたんだなー、偽物だな、と思ったんですが。
その前のシーンで第五師団が神殿を解放しているので、<星>を取り戻したことは、読者には分かるようになってるけど、同時にオズワルドも気付くと思ってたのが、読み違えてました。
オズワルドさん、ミレーユに計画をぺらぺら喋ってる時点で小物感あふれてて、リヒャルトの敵じゃないな、とは思ってましたが、そこまで小物とは。つーか、つぶれる感触まで似せて作ったフレッドの知り合いの天才職人がすごい、ということかなー。

あと、個人的に蛇足だと感じたのが、すべて終わった後にフレッドとミレーユがウォルター伯爵について語るところ。推理小説で言う動機の解説シーン。あんなにくわしく解説してくれなくても、ウォルター伯爵の内面くらい普通に読み取れますって。あれはあれで王道のキャラですから。あそこにページ割くくらいなら、アルテマリス組のことに触れてほしかったなぁ。
そこは次巻のお楽しみですか? くー。この商売上手め。

ここで完結したほうが綺麗だった気がしますが、それでも続きを読みたいし、読めることを素直に喜びたいです。

フレッドとセシリアの関係も気になりますし。
つかフレッド。


 眉をつり上げて怒られるのも、ぶつくさ文句を付けられるのも、たまに首を絞められたりするのも、みんな大好きだった。愛情は素直に向けられるより、ひねくれた形でのほうが真実味を感じる性質だから  こんなことを言ったら、また「変態!」と罵られるだろうけれども。 (p257)

ってとこを読んで、セシリアとお似合いじゃん! と思いましたよ。それなのにシアランに残るとは……。

もういっそ、シアランにセシリアも呼んじゃえば? と思わないでもない。本人、望んでなさそうですが。
まだエドゥアルトさまもジュリアさんも若いんだし、ベルンハルトの跡継ぎはまた作れるよ! (笑) 

……ってスミマセン。妄想が暴走してますな。ここまで長々と読んでくれたあなたはすごい。
コメント
この記事へのコメント
こんばんは!
感想を楽しく読ませていただきました。

>既刊と似たシチュエーションで、しかし既刊とはまったく違うシーンがそれぞれの巻ごとにある

これ、わたしは計算して書いてるなあって思ってました。
同じようなシーンを使うって成長が見せやすいじゃないですか。

あとウォルター伯爵は案外脱走とかしてひっぱるのかも……とか。
穿ちすぎですね。
そういう話じゃないですね(笑)。

わたしもまあ続きが読めるのは嬉しいけれど……って感じです。
また掲示板にも遊びにいらしてくださいね!
お邪魔しました。
2010/02/05(金) 02:27:38 | URL | 桔梗 #-[ 編集]
Re: タイトルなし
ありがとうございます。
いつも、すばやく反応くださって励みになります。

> これ、わたしは計算して書いてるなあって思ってました。

ですよね! 
「身代わり」の作者さまは、お約束ネタも計算して盛り込んでおられますし、そのあたりプロだなぁ、と感心します。

> あとウォルター伯爵は案外脱走とかしてひっぱるのかも……とか。

そうやって話を広げることもできるんでしょうけど、軽さを心がけていらっしゃるようですから、ない可能性のほうが高いでしょうね。
単にかる~い話が読みたいわたしの希望ですけれど。(笑)
陰謀渦巻く頭脳戦のような話は「身代わり」には求めてないですから。
難しいこと考えずに、一時の楽しみのために読んでますからね~。(笑)

また掲示板に伺いますね。
ありがとうございました!
2010/02/11(木) 00:34:36 | URL | 穂(スイ) #-[ 編集]
はじめまして
こんばんは。
こちらでは、はじめまして。
sakuraです。

>既刊と似たシチュエーションで、しかし既刊とはまったく違うシーン

そうだったのですか(笑)!
穂さまの感想を読んで、初めて「なるほど!」と思いました!
桔梗さんは気が付いていたのですね、流石です(笑)。

>武器を置いてきたことに安堵しろ
>本気で床ローリングしました。ここでいっちゃう?

等に笑わせて頂きました(笑)。

穂さまの感想を拝読して良かったです。
『身代わり』雑学がまた一つ増えて幸せです。
2010/02/11(木) 01:51:07 | URL | sakura #-[ 編集]
Re: はじめまして
>>sakuraさま

こんにちは。
コメントありがとうございます! こんな辺境まで来ていただいて嬉しいです。

感想、笑っていただけたらな幸いです。
って、別にウケを狙ったわけでもないんですが。(笑)

本当は、あんまり掘り下げて深読みして読むよりも、単純に面白かった、萌えた、と軽く読むほうが好きです。
でもついつい分析してしまうんですよねー。
sakuraさまの感想も面白かったです。
コメント付けに行きたいんですが、時間が取れれば。
2010/02/17(水) 17:26:25 | URL | 穂(スイ) #-[ 編集]
星を作ったし職人って、ルディー
じゃないでしょうか??
違いますかねえ??
2010/03/18(木) 15:04:02 | URL | よっしー #-[ 編集]
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